積みは快楽だ 社会人編

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【感想】SFの夜明けと想像力の翼「タイム・マシン ウェルズSF傑作集1」H・G・ウェルズ

タイム・マシン ウェルズSF傑作集

タイム・マシン ウェルズSF傑作集

 

内容

H・G・ウェルズの短編集。「タイム・マシン」を含む6編収録

感想

「塀についたドア」

まず一本目の短編がSFじゃないのに傑作なことに驚いた。

子供のころ一度入った楽園の扉を探す男の話。成長した後も何度か扉は現れるが、社会的な成功を前にして、入るのをためらって通り過ぎる。そして成功を手にした今、ふたたび扉を探すが見つからない。

一見、寓話的な話なんだけれど、単純な寓話と切って落とすにはもったいないなあ。ラストがまた味わい深いのですよ。シンプルな話を読ませる筆力。一篇の短編小説として素晴らしい出来。傑作というより、大切に心にしまう佳品という感じか。

タイム・マシン

さすがの歴史的傑作。タイトルは知ってても、あらすじすら知らなかった。てっきり恐竜でも見に行くのかと思ったら、まさか80万年後に行くとは、、、

タイムマシンという画期的ガジェットがすごいのはそうなんだけど、人類、文明の進化の果てと終焉まで書いちゃいますか、そうですか、まじか。

さらに「未来人」の謎と仮説、ふれあいと冒険。そして最後に「花」を持ってくるラスト~、ずるい~、この締め方ウェルズが元祖なの?

想像力が科学のエンジンですっとんで行く爽快感、1895年発表、ただただすごい。

関連図書

 バクスターが書いた続編があるのか、、、うーん、評価は高いみたいだけど、「タイム・マシン」自体がきれいに終わってるからあまり惹かれないなあ、、、