積みは快楽だ 社会人編

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【感想】誰でも思いつく「究極の仕掛け」と、誰にも書けない凄み「カーテン」アガサ・クリスティー

内容

名探偵ポアロ

シリーズ第一作の舞台スタイルズ荘にて、老いたポアロヘイスティングズが未知の犯罪を防ごうとするが、、、

「もちろん。きみと私で、ヘイスティングズ、また犯人狩りに出るのです!」

感想

す、すげー

本書はとある「究極の仕掛け」のミステリ(※ネタバレ厳禁、ググってはいけない、早く読もう)

いや、その「仕掛け」は、ミステリ読者なら誰でも思いつくよ、私も最初はネタバレされたとき一発ネタの最初にやったもん勝ちの作品かと思いましたし。ところがこの作品は誰にも書けないでしょ。

雰囲気は終始重い、老いてうるさくなったポアロと、同様に老いて悲観的なヘイスティングズ、いつ誰が被害者でも加害者でもおかしくない人間関係(これはいつもか)

「私ですか」ポアロは顔をしかめて言った。「私はもう駄目です。生ける屍です」

「仕掛け」には薄々気付くかもしれない、読み返すと匂わせてる描写が多いし、終盤に行くほど不自然さは増す。でも、、、まさか、、、どこまで?

「それにもしかしたら、そのときにはきみはそんなことまで知りたくなかったと思うかもしれません。そして、こう言うかもしれない ”もう幕を降ろしてくれ” と」

そして終幕。「仕掛け」そのものが物語であったことが分かる。

読書してて、ふと作者の視線を感じる時がある。私は本書の最後を読んでて、クリスティーと確かに目があったよ。彼女の目線は悲壮でも重い決意でもなく、「どやぁ」と言ってる気がしました。

女王はミステリに君臨する。

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「葬儀を終えて」★★★★★

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「死との約束」★★★☆☆

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