積みは快楽だ 社会人編

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【感想】混沌とした解決篇と、それを断ち切る解決「死との約束」アガサ・クリスティー

内容

名探偵エルキュール・ポアロ

あまりにもうざい、家庭の独裁者婆さんと、その支配下にある家族の旅行先での殺人事件

「あなたはーーあなたは探偵でしょ?」

「そうですよ」

「非常に有名な探偵ですか」

「世界最高の名探偵です」ポアロはまるでこれ以上分かり切った事実はないといわんばかりな口ぶりで答えた

感想

「個人的な私的な判断によって他人の命を奪ったものは、社会生活を送ることは許されないのですよ。わたしはーーエルキュール・ポアロはーーそんなことを決して許しませんよ!」

中盤死体が出るまでは険悪な空気で話を引っ張るの悪くないですが、本作の見どころは解決篇でしょう。

名探偵、皆を集めて、さてと言い。混沌。ポアロは最初から解決言ってやれば良いのに、「誰々が犯人の場合・・・かばっていた場合・・・」とかやるから、「俺じゃない」「あいつじゃない」「俺がやった」「嘘ついてましたの」大合唱。おいおい。

読みながらちょっと心配になるが、無事解決。ああ良かった。

「わたしがいつもつくづく思うことですが、真相というやつはじつに奇妙で、しかも美しいものですよ」

ジャンルはうざい婆さんミステリかな・・・おすすめ度は少し低いですが、いびつな家族が好きな方はどうぞ

社会で活躍する女性とかについて

「とにかく、女が何かをやりとげることができるということは、すばらしいことですわ!」

「それは賛成しかねるわ。人間が価値のある仕事をなしとげることは、すばらしいことなんですよ。それが男であろうと女であろうと、そんなことはまったく問題じゃありませんわ。どうしてそんなことが問題なんです?」

女性がやったから偉い、ってのは男女平等とは違くね? という話。

登場人物の話=not作者の考えとはいえ、当時(1938年)の女性ミステリ作家なんてさんざん色々言われてただろうからなあ、、、

女性なのに男性名でだしたSF作家のジェイムズ・ティプトリー・Jr (1968年デビュー)は下記を言ってるし

「男性的な名前はうまい擬装のように思えた。男の方が落とされないという感じがした。これまでの人生で女だからという理由で職業的に散々ひどい目にあってきたから」

最近は鬼滅の刃の作者が女性というのが話題になってたり、作家の性別問題は根深いですな

読んだきっかけ

下記の、電子書籍アガサクリスティーセール(現在は終了)に応じて、阿津川先生が挙げていたため読みました。

togetter.com

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