内容
香港を舞台とした警察小説ミステリ
感想
華文ミステリ? 読んだこと無いけど、ミステリ先進国の日本の作品と比べたらどうせ・・・傑作じゃねーか!
激動の時代にあっての警察のあり方を問う一方、本格ミステリとしてハイレベルなことに驚愕。あんまりフィクションに社会派って言葉使いたくないんだけど、エンタメを邪魔しないどころか、舞台装置じゃなくテーマとして消化しており、脱帽。
読者を翻弄する手練手管がすごい、完全に予想外のところから一撃を放ってくる。連作短編のちょっとした繋がりを見つけてにやにやできたりと、ミステリファンのツボを分かってるなあ。
クワン刑事のキャラクターも魅力的、頭脳はキレッキレで市民のためなら危ない橋も平気で渡る(危ない橋というより犯罪では・・・)
作者の好きな小説はなんと獄門島!
華文SFも盛り上がってるし、継続して追いかけていきたい。
しかし刊行当時より香港情勢はさらに激動、デモと鎮圧、まさに作品と地続きであり、良くできたエンタメというには洒落にならない事態。