積みは快楽だ 社会人編

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歴史の流れの端でミステリ短編「方壺園」陳舜臣

 

方壷園 (ちくま文庫)

方壷園 (ちくま文庫)

 

内容

方壺園

唐の時代、四方を高い壁に囲まれた「方壺園」(上の書影の建物)の詩人をめぐった密室殺人事件。役人が不可能犯罪を「仏罰」で片づけようとするのは笑った。

九雷渓

1934年の中国、政府につかまり余命いくばくもない詩人の革命家に会いに行く

梨の花

現代の日本、被害者は密室の中で突然殺されかけるが生存。ただし犯人の顔も密室の謎も皆目わからない。面白トリック思いついちゃいました系で本書では異色。

獣心図

インドムガル朝が舞台の犯人あて小説。作者曰く「史実八割、フィクション二割」。完全正解者無しは悪い意味で仕方ないかなあ。

紅蓮亭の狂女

明治時代、日本人が中国情報を探りに清の皇族に会いに行くが、思いがけぬ目に遭う。状況の異様さのわりにトリックが平凡でちょっとちぐはぐ

感想

まーた日下三蔵編を買ってしまった。

陳舜臣歴史小説家だと思ってたら、なんだ君もミステリ好きなんじゃんみたいな仲間意識が芽生えました。

短編ごとに様々な時代を書いてますが、多いのは近代中国で日本人が事件にまきこまれるというもの。

 「日本と中国の危うい関係」

 「漢詩の詩情」

 「事実と創作の混在」

 「そもそも筆力が高い」

等で没入感は高いんだけど、ミステリ部分で現実に引き戻されるのは良いのか悪いのか・・・

本書は帯で「本格ミステリ」「瞠目のトリック」とかすごい煽ってるけど、そこ推しなんだ・・・いや、ミステリ読みに読んでほしいというのはわかりますけども。