惜しがる程の一生じゃない。恥かしがる程の名前でもない。親も兄弟もないんだからね。但し・・・・・・タッタ一人君だけは、僕を惜しがってくれやしないかと思っている。
死後の恋
死後の恋の話を信じてくれという怪しい男の話を聞くことに。軍人の友人が実は貴族のうまれなのではないか・・・
戦場の雰囲気と怪しい話と怪しい報酬、壮大なスケール、そして悲劇。 傑作。
氷の果て
兵卒の男がのんびり任務をしてると、陰謀劇にまきこまれ・・・後半は一大絵巻物語、一緒に旅をしている気分。後半をもっと書いてくれよお。ペース配分かたよってるよお。
少女地獄
何んでもない
うそつき少女大暴れ。うそをついたら隠すためのうそを隠すためうそを・・・遺書もきっと嘘。
火星の女
のっぽ少女大暴れ。復讐。ずいぶんとマア手の込んだ復讐じゃないか。
全体的な感想
さすが夢野久作の文章は妙なリズムの酩酊感で魅せてくれる(ただし読んでて疲れる)
収録短編は全部人が死ぬ。悲劇的な死が多いんだけど華がありますね。次は新潮文庫でも
死後の恋: 夢野久作傑作選 (新潮文庫) が出たのでそっちも読もうかな。