積みは快楽だ 社会人編

読書その他の雑記

本を紹介する Tiktoker になろうぜ!

 

 「Tiktok? ああ、あの一般人が素人芸を披露する短い動画の? 若い子に人気らしいね、興味ないけど」

と思っていましたが、下記の2記事を見て考えが変わりました。

www.businessinsider.jp

gigazine.net

Tiktokの本の紹介動画で本が売れる!

「なるほどー時代だねー若者の本読みが増えるといいなー」

じゃあないんだよ! 俺が、君が、やるんだよ!

 

それでは、具体的なTiktokでの本の紹介のやり方を説明していきます。

概要

まずはスマホTiktokをダウンロード

上の記事にも出てくる、筒井康隆をバズらせた、けんごさん(@けんご 小説紹介)が本の紹介では、質、量、人気ともに圧倒的です。「けんご」で検索してのぞいてみましょう。ただ、しゃべりも編集もうまくて顔も出しててさらにイケメン、ちょっとハードルが高いですね。

なので、私流のやり方を説明します。

(※自信がある方は本を片手に自撮りしてしゃべって編集なしが、一番手軽です)

台本、音声の用意

動画1分だと、だいたい250文字、2ツイートくらいです。最初がつまらないと即スワイプされるので、最初に印象的な引きができればベストです。

自分の声派は朗読するだけです。私は地声がクトゥルフの呼び声なので、ボイスロイド結月ゆかりを使用しました。お値段いちまんえん。

VOICEROID|製品情報|AHS(AH-Software)

使い方はテキスト貼り付けて再生押すだけです、超簡単。

動画の用意

A.自撮り

スマホを固定して、本を片手にしゃべりましょう。

B.紙の本

テーブルにのせて撮影

C.本の表紙画像

私は紙の本が手元にない(あるはずだけど場所不明)なこともあるので、表紙の画像だけ用意します。

動画編集

音楽つけたり、字幕つけたり、エフェクトいれたり、凝りだすときりがないです。

私がやってるのは下記。動画編集ソフトはスマホのVLLOを使用しています。動画編集ソフトを使わなくても、Tiktok上でも編集はできます(多少使いづらく、制限あり)

1.原稿書いて結月ゆかりで読み上げ音声作成、スマホにファイルを移す

2.VLLOで表紙画像を開き、スライドショーを1枚の画像で作成

3.効果音で読み上げ音声を追加

4.テキストで最初の5秒にサムネ用の動画概要を大きく書く

5.完全に静止画だと再生数が伸びづらい気がするので、テンプレートできらきらエフェクトを入れてみてます。

6.アップロード、動画の説明文とハッシュタグを入れましょう。私は「#小説紹介 #おすすめの本 #本の紹介」 の最低3つは入れてます。ハッシュタグはインスタと違い、5個程度が適正らしいです。

大体、原稿できてれば10分以内にできる、簡単作業です。

アカウント設定

アカウント名や説明は後でもいいんですが、動画アップ後即やるべきはアクセス解析(クリエイターツール→インサイト)の有効化はしておきましょう。ついでに、クリエイターツールのQ&A(ツイッターのマシュマロ?みたいなの)も必要に応じて有効に

動画をアップしたらあとは眺めるだけです。Tiktokはド素人の動画でも1日で約100再生以上はさせてくれる神仕様です。私がデビュー初日に上げた動画は数時間で200~800再生いきました。(このブログのPV何か月分だよおい)

油断するな、見ているぞ

神仕様だといったな、あれは嘘だ。あれは私がデビュー初日の8/13、意気揚々といくつかの動画を上げていったときのことです。あれ、再生数が突然上がらなくなった、新規動画は再生数ゼロのまま???

調べたところ、シャドウバンと呼ばれる現象のようでした。規約違反等があると、垢BANや動画削除ではなく、他人のおすすめにのらなくなり、再生数が増えないとのこと。

でもおかしいなー、ただの本の紹介動画で規約違反のはずがないし、ふつーに「13・67」の紹介動画を上げてから、、、ま、まちたまえ、Tiktokは中国製だったよな、、、えーと、紹介動画の原稿は、、、

おすすめ本紹介

日本は推理小説の先進国だから、香港の推理小説には負けません。と思っていました。驚きの傑作です。激動の香港で警察のありかたをとう、ハードな警察小説、さらに本格ミステリとしてもレベルが高いです。読者の予想外のところから、思わぬ一撃をくらわせてきます。主人公もかっこいい。頭がきれて、市民のためなら危ない橋もどんどん渡る。

推理小説が好きならとにかく読め。傑作。

「13・67」陳浩基、のご紹介でした。

えーと

gigazine.netTiktokは香港国家安全維持法に抵触する恐れがあり撤退を決定、、、

え、マジでこれのせいなの? そんなピンポイントで初日に地雷踏み抜くことあるの!? 1回も再生されなかったことを考えると、おそらく自動で弾いてるんだよな、、、香港の警察がどうのこうのという極めて不適切な動画を、、、

結局

初日なのでダメージ少ないから垢削除して作り直しました。再生数も戻ったからどんどん本の紹介動画上げるぞー☆ 台湾と香港関連の本は紹介しないぞー☆ いいんかそれで、、、

【感想】複数の怖い話に実はある共通点が、謎が謎を呼び闇が闇を呼ぶ「ほねがらみ」芦花公園

 

 

内容

怖い話集めが趣味の主人公が、ある怖い話の共通点に気付いて、調べ始める

感想

複数の怖い話の共通点の謎を解いていくとか、好きなやつー!

大抵の推理小説だと謎を解くと光が現れるけども、本書だと謎を解くと闇が現れる。というか、謎を解くたび背後の闇が予想以上に深いことに気付く。やばい。

いくつかの怖い話に対しては、作中でも「よくある話」「出来が悪い」とかつっこまれたりするんだけど、後から実はあれのあれでした、ってなる。怖い。

ホラーで重要な実話か創作かってのは一番最初に言及されるんですが、そういう意味だと本書は完全にウソ側です。しかも作中の怖い話なので、ウソの中のウソを読まされることになる。そんなん普通白けますよね。

ホラーは白けたら終わりなので、何で引っ張るかが重要と思うけど、それが上で書いた謎が謎を呼び闇が闇を呼ぶ展開。ホラーに惹かれる根源「怖いもの見たさ」ってことになるなあ。

パズルのピースがはまっていく快感と、え、それはめたらいかんやつだろという恐怖の両立、楽しい。

ただ、個人的な難点としては、完全にホラーに堕ちてしまうと怖くないんだよなあ。著者がリスペクトしてる三津田信三もこの難点は共通。好みの問題だけどね。

「作り話」のホラーが好きな人におすすめ

この著者、ネット小説投稿サイトの「カクヨム」出身の新人なのか、凄いな。

次は話題の 異端の祝祭 (角川ホラー文庫) 読みます。

 

【感想】なんだこれ、、、トンデモ超展開小説「駄作」ジェシー・ケラーマン

駄作 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

駄作 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

内容

内容と言われてもな、、、とにかく変な話。小説にまつわる小説。

円城塔先生、お墨付きの一品

感想

感想と言われてもな、、、

序盤はしみじみと良いんですよ。売れない作家が売れっ子作家の盗作をしてしまうんですけど、作家同士の微妙な関係ながらも互いにリスペクトしてる感じとか、、、だからどうした! そんなもん台無しだよ! 序盤が終わればトンデモ超展開が待っている。

一体この小説は面白いのだろうか、果たして面白さとは一体なんなのか、などと自問しながら読むことになった。

タイトルは駄作だが、駄作ではないですよ、奇作とか迷作とかかな。オンリーワンの小説ではあるし、、、

変な小説が読みたいという方におすすめ、、、しづらいなあ、、、私は警告するけどそれでも読みたい方はどうぞ。つまらなくはないよ、つまらないとか面白いの枠におさまらない小説だよ。

はい、感想終わり、考えるのやめ!

【感想】SFの夜明けと想像力の翼「タイム・マシン ウェルズSF傑作集1」H・G・ウェルズ

タイム・マシン ウェルズSF傑作集

タイム・マシン ウェルズSF傑作集

 

内容

H・G・ウェルズの短編集。「タイム・マシン」を含む6編収録

感想

「塀についたドア」

まず一本目の短編がSFじゃないのに傑作なことに驚いた。

子供のころ一度入った楽園の扉を探す男の話。成長した後も何度か扉は現れるが、社会的な成功を前にして、入るのをためらって通り過ぎる。そして成功を手にした今、ふたたび扉を探すが見つからない。

一見、寓話的な話なんだけれど、単純な寓話と切って落とすにはもったいないなあ。ラストがまた味わい深いのですよ。シンプルな話を読ませる筆力。一篇の短編小説として素晴らしい出来。傑作というより、大切に心にしまう佳品という感じか。

タイム・マシン

さすがの歴史的傑作。タイトルは知ってても、あらすじすら知らなかった。てっきり恐竜でも見に行くのかと思ったら、まさか80万年後に行くとは、、、

タイムマシンという画期的ガジェットがすごいのはそうなんだけど、人類、文明の進化の果てと終焉まで書いちゃいますか、そうですか、まじか。

さらに「未来人」の謎と仮説、ふれあいと冒険。そして最後に「花」を持ってくるラスト~、ずるい~、この締め方ウェルズが元祖なの?

想像力が科学のエンジンですっとんで行く爽快感、1895年発表、ただただすごい。

関連図書

 バクスターが書いた続編があるのか、、、うーん、評価は高いみたいだけど、「タイム・マシン」自体がきれいに終わってるからあまり惹かれないなあ、、、

 

ブログ50記事達成

 本ブログの現状

・ブログ作成から2年半

・記事50個

・月間PV100

・読者10人

うーん、、、投稿数が少なすぎ。このペースでいくと、記事100個まで5年かかるぞ、、、

でも好き放題書いて、読んでくれる人がいて、はてなスターまでもらえたりする。訪問者の方には頭が上がりません。とはいえ、PVはもっと欲しいなあ。

参考

www.nununi.site

2019年1月 30PV/日 100エントリ目

2019年4月 100PV/日 200エントリ目

2019年5月 200PV/日

2019年6月 300PV/日

2019年7月 400PV/日 300エントリ目

2019年8月 550PV/日

書評Blogでデイリー500PV出るまでにやったこと11項目 - ネコショカ(猫の書架)

参考にしてるネコショカさんは、100記事で1日30PVっておっしゃってたので、その時点でわがブログの10倍のアクセスということになる。えええー。ちなみに今は500記事1日1000PV超えだそうです。

SEO

うーむ、、、とりあえずGoogle先生に顔を覚えてもらわないと仕方ないよなあ、それにはやはり記事数、更新頻度、文字数!

記事数、更新頻度はがんばろうねという話ですが、文字数はなかなか難しい。いまは平均400字くらいか。1000字以上書くといいらしい。文字数を稼ぐ方法はいくらでもあるけれど、、、今のスタイルで語るのが自然にうまくなって文字数が増やせれば理想、難しいなあ。

あと新刊の感想を素早く書くというのもありか。

今後

・読む本の傾向と感想の書き方はあまり変える気はないけれど、感想の需要がありそうな(感想があまり見つからない)本を意識しようかな。ハードカバーを増やしても良いか。

・〇〇文庫50%OFFみたいなセールのときにまとめ記事でも作ろうかとは思うのだけれど、すごい大変だからなあ、、、

・自分の中での超名作で紹介してないのは数多いので、再読を増やそうかなあ

・本を、本を読むのです、、、モンハンやってる場合じゃないのです、、、

・次は100記事、2021年中、、、には無理か、なるべく早めに。

 

【感想】誰でも思いつく「究極の仕掛け」と、誰にも書けない凄み「カーテン」アガサ・クリスティー

内容

名探偵ポアロ

シリーズ第一作の舞台スタイルズ荘にて、老いたポアロヘイスティングズが未知の犯罪を防ごうとするが、、、

「もちろん。きみと私で、ヘイスティングズ、また犯人狩りに出るのです!」

感想

す、すげー

本書はとある「究極の仕掛け」のミステリ(※ネタバレ厳禁、ググってはいけない、早く読もう)

いや、その「仕掛け」は、ミステリ読者なら誰でも思いつくよ、私も最初はネタバレされたとき一発ネタの最初にやったもん勝ちの作品かと思いましたし。ところがこの作品は誰にも書けないでしょ。

雰囲気は終始重い、老いてうるさくなったポアロと、同様に老いて悲観的なヘイスティングズ、いつ誰が被害者でも加害者でもおかしくない人間関係(これはいつもか)

「私ですか」ポアロは顔をしかめて言った。「私はもう駄目です。生ける屍です」

「仕掛け」には薄々気付くかもしれない、読み返すと匂わせてる描写が多いし、終盤に行くほど不自然さは増す。でも、、、まさか、、、どこまで?

「それにもしかしたら、そのときにはきみはそんなことまで知りたくなかったと思うかもしれません。そして、こう言うかもしれない ”もう幕を降ろしてくれ” と」

そして終幕。「仕掛け」そのものが物語であったことが分かる。

読書してて、ふと作者の視線を感じる時がある。私は本書の最後を読んでて、クリスティーと確かに目があったよ。彼女の目線は悲壮でも重い決意でもなく、「どやぁ」と言ってる気がしました。

女王はミステリに君臨する。

関連記事

 下記は他に読んだクリスティーの感想

「葬儀を終えて」★★★★★

www.tsumi-kai.com  

「死との約束」★★★☆☆

www.tsumi-kai.com

 

【感想】混沌とした解決篇と、それを断ち切る解決「死との約束」アガサ・クリスティー

内容

名探偵エルキュール・ポアロ

あまりにもうざい、家庭の独裁者婆さんと、その支配下にある家族の旅行先での殺人事件

「あなたはーーあなたは探偵でしょ?」

「そうですよ」

「非常に有名な探偵ですか」

「世界最高の名探偵です」ポアロはまるでこれ以上分かり切った事実はないといわんばかりな口ぶりで答えた

感想

「個人的な私的な判断によって他人の命を奪ったものは、社会生活を送ることは許されないのですよ。わたしはーーエルキュール・ポアロはーーそんなことを決して許しませんよ!」

中盤死体が出るまでは険悪な空気で話を引っ張るの悪くないですが、本作の見どころは解決篇でしょう。

名探偵、皆を集めて、さてと言い。混沌。ポアロは最初から解決言ってやれば良いのに、「誰々が犯人の場合・・・かばっていた場合・・・」とかやるから、「俺じゃない」「あいつじゃない」「俺がやった」「嘘ついてましたの」大合唱。おいおい。

読みながらちょっと心配になるが、無事解決。ああ良かった。

「わたしがいつもつくづく思うことですが、真相というやつはじつに奇妙で、しかも美しいものですよ」

ジャンルはうざい婆さんミステリかな・・・おすすめ度は少し低いですが、いびつな家族が好きな方はどうぞ

社会で活躍する女性とかについて

「とにかく、女が何かをやりとげることができるということは、すばらしいことですわ!」

「それは賛成しかねるわ。人間が価値のある仕事をなしとげることは、すばらしいことなんですよ。それが男であろうと女であろうと、そんなことはまったく問題じゃありませんわ。どうしてそんなことが問題なんです?」

女性がやったから偉い、ってのは男女平等とは違くね? という話。

登場人物の話=not作者の考えとはいえ、当時(1938年)の女性ミステリ作家なんてさんざん色々言われてただろうからなあ、、、

女性なのに男性名でだしたSF作家のジェイムズ・ティプトリー・Jr (1968年デビュー)は下記を言ってるし

「男性的な名前はうまい擬装のように思えた。男の方が落とされないという感じがした。これまでの人生で女だからという理由で職業的に散々ひどい目にあってきたから」

最近は鬼滅の刃の作者が女性というのが話題になってたり、作家の性別問題は根深いですな

読んだきっかけ

下記の、電子書籍アガサクリスティーセール(現在は終了)に応じて、阿津川先生が挙げていたため読みました。

togetter.com

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 他に読んだクリスティー

「葬儀を終えて」★★★★★

www.tsumi-kai.com

 「カーテン」★★★★★

www.tsumi-kai.com